お知らせとレポート
再生可能エネルギーを題材としたコミュニケーションアートで思い出作りのお手伝い
2月22日、肌寒さが残る中、福島県いわき市久之浜第一小学校にて、6年生44名を対象に、ソニー損害保険株式会社の協賛およびNPO法人インスティテュート・オブ・コミュニケーション・アート(以下「IOCA」(※1))との協同で、再生可能エネルギーを題材にしたコミュニケーションアートで思い出作りのお手伝いをさせていただきました。
午前中は、当基金の代表理事である市瀬より、再生可能エネルギーなどに関する環境教室を行いました。地球温暖化についてやエネルギーの話など、クイズを交えながら楽しく授業が進んでいきました。以前、学校でも環境に関する授業をされていたそうで、クイズの正解率がとても高く、市瀬も驚いておりました。
給食の時間では、そらべあ基金をはじめ関係スタッフが、小学生のみなさんと机を並べて、一緒に会話を楽しみながら、給食をいただきました。スタッフのみなさんも給食をいただくのは??年ぶりということで、とても懐かしさを感じながら、美味しくいただきました。
いよいよ午後から、絵を描いていきます。その前に、まずは絵の鑑賞から始めます。多くの人が絵を鑑賞するということに慣れていないので、絵を回転させて見たり、近づいたり遠くで見たりと、様々な方法で鑑賞することで、1つの絵が色々に見えるんだということを、実感してもらいます。最初は、モジモジしていた子どもたちも、徐々に鑑賞の感想を書いて、ポストイットで貼っていきます。
今日は、子どもたちが「心の中の太陽」というお題にて絵を描くのですが、描く前に、一度、整理するために、自分の中の「心の中の太陽」をどのような色合いで描こうと思っているのか、色チャート上に印を付けます。明るく感じた人は明るいところに、暗く感じた人は暗いところに、単色で考えた人は単色に、虹のようにいくつもの色と考える人は、複数の色にまたがって印を付けます。この印の付け方は、自由に付けられるので、小さな丸で囲む人もいれば、大きな四角で囲む人、チェック印を付ける人など、様々です。
さて、実際に絵を描いていきます。まずは、自分が描きたいと思う、12色の正方形の画用紙から選びます。12色の中に、白色はありません。白色だと空いたスペースを塗りつぶさなければならず、色付きの画用紙であれば、その必要がないからです。なかなかすぐに色を選びきれずに、腕組みをして悩んでいる子どももいました。
選んだ色画用紙に、子どもたちが「心の中の太陽」というお題にて、パステルで描いていきます。迷いもなくいきなり描き始める子ども、じーっと考えた上で描き始める子ども、それぞれ思い思いの「心の中の太陽」を描いていきます。今回の絵を描く特徴は、「指」で描いていくことです。一度、画用紙に色を付けたものを、指で擦っていくことで、美しいグラディエーションになったり、神秘的な色の混ざり具合を表現したりと、いつも描いている絵とは、ちょっと違った感じになり、子どもたちも、最初は色の出かたの感覚がつかめず、少し戸惑い気味な感じもありましたが、みんなが一言もしゃべらず、教室の空気がピーンと張り詰めるほど、集中していました。
描き上げた子どもたちの顔は、非常に集中したためか、少しだけ疲れが見える子どもたちもいましたが、集中から解放されて、隣同士で元気にじゃれ合う子どもたちもいました。
出来上がった絵をみんなが見えるように全て並べ、みんなでそれぞれの絵から感じる感想を、ポストイットに書き、絵の前に貼っていきました。その感想が読み上げられ、自分の絵の題名を発表するときには、子どもたちは、ちょっと恥ずかしそうな表情をしながらも、まんざらでもない感じでした。
自分の絵が、みんなからどのように見え、どんな感想が聞けるのか、ドキドキしながらも、評価されるのは、嬉しいものですよね。
最後に44名が一緒に記念撮影して、自分たちの作品を写真に収めました。
この制作したひとりひとりのアートは、1枚のポスターにデザインし、みんなで作る卒業制作として、みなさん全員に配る予定です。
(※1)NPO法人インスティテュート・オブ・コミュニケーション・アートは、アートによる「学びの場」創出を目的としたNPO法人です。個人の主体性・創造性を引出すコミュニケーションアートのワークショップ「EGAKU Workshop」を主に子どもたちを対象に実施しています。