お知らせとレポート
記念すべき第1回【そらべあ再生可能エネルギーセミナー】を開催!
2012年7月27日(金)、18:30より、記念すべき第1回【そらべあ再生可能エネルギーセミナー】を、そらべあ基金事務所内セミナールームで開催しました。
【そらべあ再生可能エネルギーセミナー】とは、我々の活動にご協力いただいております、企業、NPO、団体、個人のみなさまに向けて、
環境・再生可能エネルギーなどに関する情報を提供し、最新情報を知っていただくと共に、様々な有識者のみなさまとのネットワークを構築する機会を創り、
定期的に開催していくものです。
この記念すべき第1回なる今回は、デンマークの自然エネルギー100%の島「ロラン島」に在住しているジャーナリスト、ニールセン北村朋子さんをお招きし、
エネルギー問題、経済の発展、子育てなど、ロラン島の豊かな暮らしをみなさまにお話していただきました。失業率20%を超えた大不況を自然エネルギーを取り入れたことにより乗り越えた理由など、
大変興味深いお話をお聞きすることができました。
ロラン島は、北欧の国、デンマークで4番目に大きい島で、豊かな土地で農業が盛ん。起伏がなく平坦な島にはいつも風が吹き抜けているそうです。
そんな広大な大地に、たくさんの風力発電の風車が並んでいます。
風力発電というと、「風切り音がうるさい」などと指摘する人もいますが、ロラン島の人たちは、「僕らにとってお金が貯まる音だからね、気にならないよ」と、なにくわぬ顔なのだそうです。
「ロラン島でも、デンマーク全体でも、昔から小さな街ごとに穀物を粉に挽くための風車がある光景が普通だった。風で風車がまわる景色を、僕らは心底好きなのかもしれないね。」
そんな気にしない土地柄でも、風車の立地には、いくつかの制限があり、近隣住宅との距離が最低でも風車の高さの4倍は離れていなければならないなど、近隣や環境に配慮された制限があるそうです。
再生可能エネルギー先進国のデンマークでの電気料金は、日本の約1.5倍。そのうち、約半分が税金とのこと。
これだけ払って国家経済を支えている国民だけに、「金も出すけど、口も出す」とばかりに、政治や選挙への関心も高く、
2011年の総選挙では、投票率が87.7%と、日本と比較すると驚くほど高い数字ですね。
今でこそ、デンマークは再生可能エネルギー先進国のひとつとして知られているが、以前からエネルギーの優等生だったわけではなかったのだそうです。
それどころか、以前はそのほとんどを中東の石油に頼りきりで、1973年のオイルショック時のデンマークのエネルギー自給率はわずか数パーセントであり、当時の日本の自給率よりも低かったとのことです。
しかし、その後、デンマークは1997年にエネルギー自給を達成し、
現在、エネルギー自給率は2010年で121%となっています。一方、日本は2008年でわずか4%(原子力発電を含まない)です。
1970~1980年代、デンマークで反原発運動が大きくなっていった当時、
デンマークの若い世代と大人世代との間には、考え方やライフスタイル、文化に大きな隔たりが生じ、
それぞれがまるで2つの別の世界に位しているような状況であったといいます。
日本でいう、「今どきの若いものは・・・」のような感じかもしれないですね。
この2つの世代には何ら接点はないように思われたが、彼らをひとつに結びつけることができたのが、
「原発はいらない!」という反対運動だったのだそうです。
それがいまや、かつて原子力発電所予定地だった場所に、風力発電パークが建設され、再生可能エネルギーの先進的な島として知られるようになったのです。
そんなデンマーク・ロラン島で、次世代に向けての新たな挑戦の原料は、なんと「藻」なんだそうです。
一部で研究が進められており、藻から「肥料、食品、バイオエネルギー」を作り出します。
まずは有効成分を活かせる形で取り出し、その後の残りかすをバイオガス化する、「アッシュフリー(灰の出ない)社会」を目指しているといいます。
藻は光合成のために二酸化炭素が必要で、これからは、二酸化炭素さえも、原料として必要なものになるのだそうです。
こうして、記念すべき第1回の【そらべあ再生可能エネルギーセミナー】が実施され、大盛況でした。
セミナーのアンケートからは、多くのみなさまから、「参考になった」とのコメントをいただき、次回以降も期待する声も聞かれました。
このように、みなさまへ、環境・再生可能エネルギーなどに関する情報を提供し、最新情報を知っていただくと共に、様々な有識者のみなさまとのネットワークを構築する機会を創り、
これからも定期的に続けていく予定ですので、みなさま、お誘いあわせのうえ、ご参加いただけますと幸いです。