お知らせとレポート

そらべあ学生ボランティアクラブによる「ゴミについて考える」座談会!

学生ボランティアクラブのさやが、そらべあ基金のホームページに寄稿した「そらべあ学生ボランティアクラブによる世界のゴミ事情 ~フィンランド編~」。それをテーマに、学生ボランティアクラブの4人が座談会を行い、フィンランドと比較しつつ、日本のゴミ問題はどうしていったらいいのか、自分たちにもできそうな事について話し合い、その様子を記事にまとめてくれました。


 

こんにちは。ゆゆこです。

2022年9月5日付け配信のメルマガにて、学生ボランティアクラブの後輩でフィンランドに留学中のさや(高校1年)が、「そらべあ学生ボランティアクラブによる世界のゴミ事情 〜フィンランド編〜」というタイトルで「フィンランドのゴミ事情」について紹介してくれました。同じボランティアクラブメンバーのことり(高校1年)、りお(高校1年)、あかり(高校2年)、今回の座談会を主催したゆゆこ(高校2年)の4人で座談会を行いました!

 

 

 

ゆゆこ

はい。という事で。今フィンランドに留学しているさやが、フィンランドに行ってみて感じたエコ事情・ゴミ事情について記事を書いてくれました。皆さん読みましたか?

あかり

フィンランドでは、スーパーなどにボトル・ビンを回収する専用の回収機があり、そこにプラスチックボトル・ビンなどを入れると、お金が戻ってくるという仕組みがあるんだったね。

 

ことり

「ペットボトル飲料の価格に容器代が含まれていることで、リサイクル回収や適切な後処理の動機付けになる」という長所があるんだったね。

 

りお

でも、「お金が戻ってくると言うことは、飲み物などを買う際には容器の値段も払う必要がある」という短所もあるんだったね。

ゆゆこ

そしたら、皆さんの感想や意見を聞かせてください!

ことり

フィンランドでは、お金を得る為に空のペットボトルを自主回収する人々が一定数いるから「誰かが拾ってくれるから良いや」というマインドでポイ捨て等をしてしまう人が増える事がある」とさやが書いてくれていました。「誰かがやってくれるだろう精神」の強い日本では「誰かが拾ってくれるから」とポイ捨てが今まで以上に増えてしまうのではないかと思います。

 

あかり

私は逆の意見かも。容器代が販売時の値段に含まれている事から日本特有の「もったいない精神」が働き「容器代の還元を受ける為に回収機にペットボトルを持って行く」人々が増えるのではないかと思います。特に、ゴミ捨てや家計管理に影響力を持つ主婦層を中心に。私も、もしペットボトルを回収機に持って行くだけでお金が戻って来るのであれば積極的にペットボトルを回収するようになる思うし。だから、フィンランドのシステムを導入する事で「正しくペットボトルを捨てる人」が増えるんじゃないかな。

 

りお

私も結構似た意見かな。今現在、街を歩いていてペットボトルが落ちているという状況は結構ある話じゃない?今は、それをスルーしてしまう人も多いかもしれないけれど、フィンランドの様なシステムがあれば、「このペットボトルを持って行く事でお金が戻ってくるならゴミ拾いしてみようかな」というゴミ拾いへのきっかけになるのではないかと思います。ことりさんの言ってくれた様に「誰かが拾ってくれるから」とポイ捨てが今まで以上に増えてしまう可能性はあるけれど、それ以上にゴミ拾いに取り組む人が増えて街全体は綺麗になるんじゃないかな?

 

ことり

そうだね。そういう考えもあるね。

 

ゆゆこ

高2の現代社会、高1の公共の授業で習ったと思うんだけど、「インセンティブ」って覚えてる?ゴミ箱にクイズとその2択が貼ってあって、自分がそうだと思う方の選択肢が貼ってある方の籠にゴミを捨てていくみたいな。答えはどっちでも良くて、クイズに答えるという仕組みがあるからゴミ箱にゴミを捨てる人が増えるっていう仕組みね。

 

ゆゆこ

つまり何かを啓発するためにそのきっかけになる仕組みを作るっていうのがインセンティブだね。もしかしたら、今フィンランドでやってるお金が戻ってくるというシステムはそのインセンティブに当たるかもしれないなって思って。今までの現社ではインセンティブによってポイ捨て等が減ったというのを習った事があるから、日本でも試してみる価値はあるのかなと思った。

 

あかり

あと、バイオマスゴミ箱?犬のフン等生ゴミを回収をするゴミ箱があるって聞いた事なかった。

ゆゆこ

私も聞いた事無かった。新しい視点だわ。

 

あかり

それによって道端にあるフンがそのゴミ箱に行く様になるならばとても良いシステムだと思う。

 

りお

でも最近、そんなに道端でフンって見かけないよね。

 

あかり

意外とね…。でも場所によるよね~。ここ、犬飼ってるんだな~ってところとかは分かったりするね。

 

あかり

フンが落ちてると相当景観が悪くなってしまうから、フンは減らしていきたいよね。

 

ゆゆこ

そのお金が戻ってくるシステム・犬のフンの回収システム・食べ残しとかの生ゴミを分別して回収するシステムを全部ひっくるめて、フィンランドからは「資源を有効活用していこう」という前のめりの姿勢が見えるよね。それは結構日本とは違うなと思った。資源ゴミも、資源ゴミとして回収されるけど洗わなかったら普通のゴミなわけじゃない?日本ではその辺りの意識が徹底されてないところもあると思うのね、我が家も含めて。「資源を有効活用していこう」という姿勢の大小がフィンランドと日本の差だなと。

 

あかり

犬のフンとかのゴミ箱っていうのは散歩コースとかに設置したら日本でも取り入れられそうだよね。でも問題は「回収する人」かなって…。

 

あかり

今、「犬のフンは持ち帰って」っていうのは大体どのゴミ箱でも書かれているんだっけ?

ゆゆこ

うん。大体の所でそう書かれているね。

 

あかり

もしフィンランドの様に所定のフン捨て場が作られて、そこに全てのフンが捨てられる様になれば、それらをまとめて回収しバイオマスエネルギーに変換、というのを実現出来るようになりそうな気がするけれど…。(現在フンは、飼い主が持って帰って、燃えるゴミもしくはトイレに流す形で処分しているよね。その分が所定の捨て場に捨てられる様になれば、バイオマスエネルギーとして十分活用出来る様になると思うよ。)バイオマス系のエネルギーってガスを発生させるために一回腐らせたりしなくちゃいけなかったりするじゃない?それを誰がやるのかなって…国がやってくれたりするのかな。

 

ゆゆこ

フィンランドのこれらのゴミの回収は、きっとボランティア等ではなくてきちんとお金を貰ってやってくれている人がいるわけじゃない?日本では現状、ゴミ回収をしてくれている人はいるけれど、生ゴミ・フンを回収してバイオマスエネルギーにしようという取り組みに対してあまりお金は割かれていないわけだよね。そこも日本とフィンランドの大きな違いだと思った。日本でもお金さえそちらに投入してもらえれば、フィンランドみたいに出来ると思うんだけど、日本にはまだ「そこまで積極的にやっていこう」と流れが来てないのかもしれないね。

 

ことり

…。結局はお金だよね。どれだけ政府が出してくれるかにもよるし、私達にとっては「お金が戻ってくる」と言ってもそれによって向こう(政府側)に利益に出ないのであれば実行は難しいだろうし、そのバランスがきちんと取れるのかというのも問題だし。すぐに実現できるのかと言われたら難しそうだなと。

 

りお

そうだね。

 

あかり

自動販売機にフンの回収機みたいな物を付けたら楽なんだろうね。今現在ペットボトルキャップが自動販売機横で回収されているように!既にある自動販売機が多すぎるから設置が大変っていうのは問題かもだけど…。

 

ことり

こういう新しいプロジェクトはどうかな?
特別な所にしか無い、お金が戻ってくるフン捨て場を作って、そこまで歩いた歩数をカウントしてもらう。その歩数によってお金が貰えるシステムを作るとか。歩いた歩数によって特典が貰えるアプリみたいに!

 

あかり

貰えるのはお金に限らず景品にしても良いかもね。そうすればリピーターが増えるかも。

 

ゆゆこ

GOTOトラベル等もそういったプロジェクトとして始まって、利用した人は多かったみたいだから、国のお金が使われればことりが言ってくれた様なプロジェクトも出来そう。

 

りお

プロジェクトで、正しいフン回収に関する認知度が上がりそう!

 

ゆゆこ

プロジェクトも良いアイデアだけれど、プロジェクトとかなしで自主的に正しいフン回収がされると一番良いよね。
アパート単位で回収に取り組んでみれば、国単位でやらなくても大家さん主体で出来そう。

 

ゆゆこ

プロジェクト系と、自販機に付ける系と、アパートや住宅街の共同のゴミ捨て場でやってもらう系の3種類が出たけど、最後が一番現実的だね。

 

ことり

学生だけで出来ないかな?3つとも企画して実現させられると良いね!。

 

ゆゆこ

新しいフン回収に関する企画を立ち上げるとして、参考になりそうなのは学校で行われているペットボトルキャップ回収だよね。あのペットボトル回収って誰が管理しているのだろうか?

 

りお

自販機の業者の方々かな。

 

あかり

ペットボトルキャップの管理は業者ではなく学校側が管理している様な気がするな。

 

ゆゆこ

生徒会かな?美化委員会でも保健委員会でも生活委員会でも無い事を考えると生徒会管理だと思う。と考えると、「フン回収場所を学校の自販機横に設置する」というのを4つ目の案に出来そうだね。

 

あかり

少人数で企画可能そうだし、良いかもね。

 

りお

新しいフン回収に関する企画及び正しいフン回収の仕組みを紹介する様なポスターを作るのも良いね。

 

ゆゆこ

協力者を募ったら、協力してくれる人多そうだよね。

ゆゆこ

では、最後に今日のまとめに入ります。
前半は、「スーパーなどにボトル・ビンを回収する専用の回収機があり、そこにプラスチックボトル・ビンなどを入れると、お金が戻ってくる」というフィンランドのゴミ回収事情について、その賛否を話し合いましたね。後半は、フン回収について、正しいフン捨ての仕方の啓発活動として考え得る4つの案…
1. プロジェクト案(特別な所にしか無い、「お金が戻ってくるフンの捨て場」を作り、そこまで歩いた歩数をカウントしてもらう。その歩数によってお金が貰える=還元があるシステムを作る等)
2. 国全体の自販機に付ける案
3. アパートや住宅街の共同のゴミ捨て場でやってもらう案
4. 学校の自動販売機横に設置する案
について意見を交わしました。様々な意見を聞けて興味深かったですね

 


~事務局 編集後記~
デポジット制度は日本でも既にありますが、数十年前に比べて対応している物や場所が減っており、座談会に参加した高校生にはあまり身近ではないようです。
資源循環型社会の実現には、今の若い世代にも響き、参加しやすい施策が必要で、今回、学生たちが話すことで、よりみんなが取り組みやすい施策はどんなものか、また、自分たちでもできそうなことを見つけてくれたことを心強く思います。いつか実現してくれる日を願っています。