お知らせとレポート

自然写真家”丹葉暁弥”さんの写真展&セミナー開催しました!

8月19日~24日、東京・西日暮里の「フロマエCafé&ギャラリー」にて、自然写真家「丹葉暁弥(たんば あきや)さん」が撮りためたシロクマの写真展「シロクマが生きる地球」が開催されました。
丹葉さんは15年以上に渡ってシロクマの写真を撮り続けている写真家で、今回の写真展では17点の愛くるしいシロクマの写真を展示されました。
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広大な白い北極の大地の上をぽつんとひとり歩くシロクマ。
親子で体を寄せ合うシロクマ。
ゆったりと腰を下ろしながらも真っ直ぐな力強い目線で前を見据えるシロクマ。
丹葉さんの写真はシロクマの様々な表情を見せてくれました。
そして、写真展の期間中の8月20日、同じ会場で、「第3回そらべあ再生可能エネルギーセミナー」が開催されました。
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今回のテーマは「シロクマが伝える地球」。
ゲストに丹葉さんを迎え、丹葉さんが15年以上にわたって現地で見てきたシロクマの生態や、地球温暖化による北極圏の環境の変化、そして話題の自身の写真集「HUG!earth」、「HUG!friends」の写真秘話など、ここでしか聞けないお話をお伺いしました。
丹葉さが毎年さんが毎年撮影のために訪れる、カナダ北東部のマニトバ州チャーチルは人口1000名ほどの小さな町です。
毎年10月下旬になると、街には数多くのシロクマが集まります。
その理由は、冬の時期にシロクマが行うアザラシ猟。
アザラシが生息する北極海へは、海が氷結することで行けるようになりますが、ハドソン湾に面するチャーチルは、最も早く凍り始める場所なのです。
そして夏の期間、ほぼ絶食状態で過ごしてきたシロクマたちは、氷が張るのをまだかまだかと待ちわびながら海岸線に集まってくるのです。
ところが最近、地球温暖化の影響で、ハドソン湾が凍り始める時期が少しずつ遅くなり。さらにその氷が溶けるのも早くなっているといいます。
夏の間、ほとんど食べ物を口にしていないシロクマにとって、アザラシ猟ができる時期が短くなることは死活問題です。
通常、シロクマは2~3頭の子供を産みますが、十分に栄養を蓄えられないために、1頭しか出産しない母クマも増えているそうです。
氷がなくなれば、氷上で生活をするアザラシも生きていけません。
シロクマもアザラシも絶滅してしまいます。
お腹を空かせたシロクマの一部は、人の生活圏にまで入り込んできます。
チャーチルにゴミ処理施設が作られる前は、ゴミ置き場で生ゴミを漁るシロクマの姿が報告されていました。
今ではそのような光景はなくなりましたが、街や民家に近づくシロクマの数は減っていません。
それでもシロクマとの共存を第一に考えるチャーチルでは、麻酔銃などで捕獲したのち、数日間、暗くて寒い監獄のようなところに閉じ込めるのだそうです。
「人に近づくとこうなるよ!」ということを覚えさせるとのことで、簡単に殺してしまう日本とは少し違う気がします。
このような現状に対して、私たちは一体どうすればよいのでしょう?
「電気をこまめに消す。クルマの利用を減らす――。どんな取り組みでも構いませんので、まずは始めるところから。やらなければゼロのままですが、たとえ小さな行動でも積み重ねれば、必ずや大きな成果や力になる」と丹葉さんは訴えます。
シロクマのために、私達一人ひとりができることはまだまだあるのです!