お知らせとレポート
「させる」のではなく「一緒に体験する」ことで、環境に対する自主性を育みたい
もりやまこども園(長崎県諫早市)
2019年7月 寄贈式典実施
德田周吾園長
― 「そらべあスマイルプロジェクト」に応募されたきっかけを教えてください。
園長:当園では日頃より、年長さんを中心に、小学校を見据えた教育の時間を設けていますが、環境問題やエコなどを取り上げる時、太陽光とかCO2、エネルギーといった目に見えないものを子どもたちに教えるのが難しいと感じていました。
そうしたことがらをソーラーパネルや、モニターに表示される発電量の数字など、目に見えるようにすることで、わかりやすく伝えられるのではないかと思いました。また、式典にそらべあ兄弟が来てくれることで、一緒に環境について学ぶ内容が、子どもたちの記憶に残るはずと考えました。
実際、今日の式典でのお話を聞いて、子どもたちの意識もちょっと変わったようで、子どもが「水道が出てたら止めなきゃ!! だってそらべあ君たちが泣いてたから」と早速言っていましたよ。
今日の式典については、おうちに帰って絵本を見せながら、そらべあ君たちが園に来てくれたことや地球が暖かくなっていること、太陽の光で電気をつくれることなどを話してくれるでしょう。子どもたちの言葉を大人のみなさんも真剣に受け止めてくれるはずです。
― 自然環境に親しむために、子どもたちとどんな活動をしていますか?
園長:当園には「自然・科学」「食育」「アート・製作あそび」など、先生方による6つの研究チームがあり、年間計画を立てて、子どもたちと行う活動を考えています。例えば、食育チームでは米を作るのですが、種籾作りから始めて田植えをし、案山子(かかし)も子どもたちと一緒に作って名前を付けたりします。稲刈りの後は茅葺き屋根の古民家にあるかまどを借りて、釜でご飯を炊き、お焦げの付いたおにぎりを作って食べます。
また、自然・科学チームでは、園庭にある樹木1本1本の名前を調べようということになり、どうしてもわからない木は専門家に聞いて、最後は36種類ある樹木すべての名前がわかりました。そこで、木にネームプレートを付けようと、近所の製材屋さんへ端材をもらいに行き、子どもたちがノコギリやキリを使って加工し、字を覚えた子が名前を書きました。こうした活動が自然に興味を持つ第一歩だと思います。
― 一緒にものを作っていくというのは子どもたちの成長につながりますね。
園長:それぞれの研究チームでは、まず先生がアイデアを出してやりたいことを始めますが、段々と子どもたちが興味を持ったこと、やりたいことを後押しするようにしています。ここ数年は「こどもミーティング」をして、主体的にみんなでアイデアを出し合って決めています。
今日の式典で最後に踊ってくれた「パプリカ」の選曲も子どもたちが話し合って決まりました。大人が決めたことを子どもに「させる」のではなく、子どもたちの意見も取り入れながら「一緒に体験する」感覚でやっています。そんなふうに主体性を持って行動する子どもになってもらえたらうれしいです。