お知らせとレポート

68基目のそらべあ発電所が完成~青森県十和田市 十和田めぐみ保育園~

秋晴れとなった2019年11月1日、青森県十和田市の社会福祉法人三徳会「十和田めぐみ保育園」において、68基目の「そらべあ発電所」が完成したことをお祝いする寄贈記念式典を行いました。青森県にある幼稚園・保育園への寄贈は今回が初めてとなります。

 

美しい鐘の音が子どもたちの行動の合図となっている十和田めぐみ保育園

 

十和田市は青森県内でも比較的雪が少なく、冬の気温は低いものの晴天が多いことから、10年前の園舎改築を機に、東向きの広い屋根にソーラーパネルの設置を希望されており、今回の念願が叶い設置されました。おめでとうございます!

 

園舎の屋根に設置された「そらべあ発電所」のソーラーパネル

 

式典をはじめる少し前の時間を利用し、園長先生から園庭をご案内いただき、ご協賛いただいたソニー生命保険株式会社の皆さまと一緒に広い園庭を散策させていただきました。

園庭には田んぼや畑があり、栗、ブドウ、柿、さつまいもやハーブなど、色々な種類の作物を育てています。他にも、ツリーハウスや井戸水を流す小川など、子どもたちが体験や遊びを通じて、身の回りの自然への興味を育む、豊かな保育環境づくりを目指されている様子が伺えました。

 

園長先生がツリーハウスにたてかけたかなり急な登り板にもチャレンジ!

 

稲刈りが終わり、収穫間近

 

いつも食べているお芋って、こんな風になってるんだ!

 

前日10月31日の園でのハロウィンイベントの名残で玄関には裏の畑でとれた大きなおばけかぼちゃをくり抜いた可愛いランタンが飾られていました。

 

大小さまざまなかぼちゃがいっぱい

 

園庭の散策を満喫しホール会場の準備も整い、いよいよ式典スタートです。約60名の園児たちと先生方、新聞社やテレビ局の取材スタッフなど、たくさんの方々にお集まりいただき、十和田めぐみ保育園の主幹保育教諭 工藤美賀子先生の司会により開会。子どもたちは大きな声で「そら〜、べあ〜」と元気よく呼びかけ、ホッキョクグマの兄弟「そら」と「べあ」が会場に入ってくると、「かわいい〜!」という声があちこちから聞こえてきました。

そらべあ基金の箕輪弥生理事の挨拶でそらべあ兄弟を紹介。そらとべあの目には涙が見えるよね、なぜ泣いているのかな?と子どもたちに問いかけると、「おかあさんとはぐれたから」と声があがります。式典に向けて、先生にそらべあの絵本を読んでもらっていたようです。

改めて、先生方に特別な大きなそらべあ紙芝居を朗読してもらいました。

 

そらとべあはなぜ泣いているのかな?と問いかける箕輪理事

 

紙芝居を担当してくれたのは、小笠原先生と岡田先生

 

次に、そらべあたちのいる「北極」の位置を地球儀のビーチボールで確かめ、この30年間で氷がずいぶん小さくなっていることを確認しました。

 

北極って、地球の一番北のほうにあるんだよ

 

「氷がとけてしまった原因は、私たちが便利な生活を求めて、電気をたくさん使うようになったから。電気を作るために、石油や石炭をたくさん燃やすとでてくる“CO2”というガスが空に増えて地球を暖めているのです。暑いのに、お布団をいっぱいかけられているみたいになっているんだよ」と地球儀と毛布を使ってお話し、3つのクイズでおさらいしていきました。

 

クイズでは、早寝早起き、電気のつけっぱなしはしない、などをお約束しました

 

“CO2”が増えると地球が暖かくなることがわかったところで、今度は、“CO2”を出さないで電気がつくれる「手廻し発電」の実験です。会場の園児たちの応援を受けて、園児代表の二人が一生懸命に手廻し発電機のハンドルを廻すと、扇風機から風がおこります。お友達の力で扇風機が動いている事に子どもたちは大興奮。次に、ソニー生命保険株式会社の豊田聖未様にもお手伝いいただき、今度は、手廻し発電でLED電球も点くことを確認。こうやって電気は自分でも作れる身近なものだと知るとともに、電気を作るのって大変だな、ということを実感してもらいました。

 

頑張って手廻し発電で扇風機を回す園児たち

 

手廻し発電でLED電球も明るく灯ります

 

手廻しの他にも、ものを燃やさなくても、太陽の光や風の力、水の力で電気を作る方法があることを写真で紹介。「十和田めぐみ保育園の屋根の上にも、お日さまの光で電気を作ってくれる“そらべあ発電所”ができました。これなら地球を暖かくする“CO2”を出さないで電気が作れます。みんなも電気を大切に使ってくださいね」と箕輪理事が締めくくると、園児たちは「は~い」と答えてくれました。

続いて、今回ご協賛をいただいたソニー生命保険株式会社 執行役員の岡 克彦様よりご挨拶をいただき、ソニー生命保険株式会社 青森支社長の丹野勝巳様から十和田めぐみ保育園の福士勝子園長へ、記念プレートを贈呈していただきました。

 

ソニー生命 岡執行役員からのご挨拶

 

ソニー生命 丹野支社長(左)、岡執行役員(中)と福士園長(右)

 

次に、そらべあ基金の箕輪理事より、同園の小笠原織都子先生に紙芝居を贈呈しました。

そらべあ紙芝居は園で読んでもらってね
小笠原先生(左)と箕輪理事(右)

 

「そら」と「べあ」からは、園児にそらべあ物語が描かれた絵本をプレゼントしました。

 

そらべあの絵本をプレゼント
おうちの人と一緒に読んでね

 

そらべあ兄弟が園にやって来てくれたお礼に、子どもたちが太陽をテーマにしたオリジナルソングの合唱をしてくれました。おかあさんと離れ離れになってしまったそらとべあの気持ちに寄り添って考えていただいた歌詞に感激し、そらべあたちもノリノリでした!

 

園児たちは元気いっぱいな声で素敵な歌を披露してくれました

 

一部、歌詞をご紹介します。

ゆうやけに たいようひかる

まぶしいパワーあつめて みんなあそぼう

ぼくはぼく わたしはわたし

せかいにたったひとり たいようみたい

かあさんのおむかえを やさしいたいようが

いっしょにかたをくんで まっててくれたよね

ありがとう 「またね」っていおう

あしたにパワーためて ららら あそぼう

ぼくらはともだち いつもともだち

 

元気な合唱の動画を是非御覧ください

 

最後に十和田めぐみ保育園の福士園長から、「青森県では、寒い冬には命を維持するために電気が不可欠。電気をつくる仕組みに興味をもち、“そら”くんと“べあ”くんの涙が早く止まるようにみんなで頑張りましょう」という挨拶をいただき寄贈式典を閉会しました。

 

最後に福士園長からご挨拶

 

十和田めぐみ保育園の玄関には、子どもたちにも見える位置に太陽光発電モニターが設置されています。「今日はお天気だからいっぱい電気をつくっているね!」そんな会話を保護者や先生方と交わしてもらい、そらべあとの約束を思い出してもらえたら嬉しいです。

 

玄関の壁面に設置されたモニターが「そらべあ発電所」の発電量を表示

 

また、十和田めぐみ保育園の特色の一つとして、ロシアやフランス出身の方が働いていたり、近隣に住むアメリカ人の方に訪問いただいたりと、多文化を理解する活動を取り入れられていることが挙げられます。言葉を学ばせるのではなく、楽しく遊ぶことによりその方を好きになり、その国の文化に関心をもつことが幼児期にふさわしい教育と捉え、多文化への関心を深めてもらいたいと活動されているそうです。

 

園長先生は、「地球温暖化やエネルギーなど、数字や言葉でしか理解できない問題を子どもたちに伝えることはとても難しいと感じていたが、これからは、そらとべあの物語や園舎のそらべあ発電所の話をして、子どもたちにも理解できるように伝えられる」と今回の寄贈の意義を語ってくださいました。

自然への興味関心や多文化理解を身に着けた子どもたちが、温暖化という地球規模の問題をより広く深い視点で捉え、解決していく力に育ってくれたら、と期待しています。

十和田めぐみ保育園の子どもたち、先生方、保護者とご来賓の方々、ご協賛いただいたソニー生命保険株式会社の皆さま、取材に足を運んでくださったメディア各社の皆さま、ご参加ご協力をありがとうございました。

 

そらとべあが早くお母さんに会えますように!

 

今回の寄贈園 青森県十和田市 十和田めぐみ保育園
http://www.santokukai.or.jp/megumi

今回のご協賛 ソニー生命保険株式会社
https://www.sonylife.co.jp/volunteer/solarbear/