お知らせとレポート
島根県初のそらべあ発電所が完成
~島根県松江市 融合こども園~
2023年3月29日(水)、そらべあ基金は島根県松江市の社会福祉法人 開花 幼保連携型認定こども園 融合こども園にて太陽光発電設備「そらべあ発電所」の寄贈記念式典を行いました。
融合こども園の「そらべあ発電所」は、ソニー損害保険株式会社のご協賛で寄贈し、同社による寄贈は33基目です。そして、今回が初めての島根県への寄贈となりました。
融合こども園は、2007年に開園した比津ケ丘保育園融合センターを前身に2021年4月に、3歳以上児が通う幼保連携型認定こども園 融合こども園として開園。自分たちの住む地球の未来を考え、豊かな未来を創造してほしいという願いを込めSDGs教育にも力を入れています。なかでも、目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に向けて、「そらべあ発電所」の再生可能エネルギーの利活用を通じて子どもたちに自然界に存在するエネルギーを伝えていきたいという意欲が評価されたことなどから、今回の寄贈へとつながりました。
式典当日の松江市は、雲一つない青空に満開の桜が映える、春らしい式典日和となりました。
園内のホールに用意されたステージには、園児の皆さんが描いた「そら」と「べあ」のかわいらしいイラストが装飾され、お手製の花飾りや色とりどりの生花と垂幕が飾られていました。華やかな会場には融合こども園の年少から年長の子どもたち43名と理事長や先生方、そして保護者の方にお集まりいただき、寄贈記念式典がはじまりました。
最初に、足立宏枝先生の司会で、お祝いの参列者を順番にご紹介したあと、「今日は素敵なゲストが来てくれました!みんなで呼んでみましょう!」と先生が呼びかけると園児の皆さんはどこから登場するのか椅子にしっかりと座りながら首だけキョロキョロ。「そら~!べあ~!」の大きなかけ声で、ホッキョクグマの兄弟「そら」と「べあ」を迎えてくれました。
そらとべあの登場で会場が一気に温まった後は、そらべあ基金の理事 箕輪弥生よりお集まりの皆様へ挨拶をしました。
箕輪理事が、園児の皆さんに「そら」と「べあ」の顔にみえる涙について話かけ「みんなはどういうときに涙がでるかな?」と聞くと、「悲しい時」と返事がありました。また、どうして泣いているのか、という涙の理由を話そうとしたところ、すぐにさっと手が挙がり、一人の園児に理由をお話してもらうよう声をかけると、「お母さんとはぐれちゃったから」と椅子から立ち上がって、答えてくれました。すでに同園では「そらべあ」物語の絵本を読み聞かせしていて、「そらべあ」の物語が心に残っている様子でした。
また、「おひさまの力について、みんなはどれくらい知っているかな?」「地球に降り注ぐおひさまのエネルギーを全部電気に変えることが出来たら、1年間に世界で使われるエネルギーをわずか1時間で賄うことができるほど、大きなエネルギーなんです」と、伝えました。
ご挨拶の締めくくりに、「今日はみんな、今、地球で起こっていることや電気について一緒に学んでくれるかな~?」と呼びかけると、園児の皆さんは元気に「はーい!」と返事をしてくれました。
次に、引野有里先生から「そらべあ物語」を、大きな紙芝居で読み聞かせをしていただきました。そらべあ兄弟が、北極が暖かくなり氷の地面がわれてお母さんとはぐれてしまってから、地球の気温が上がる地球温暖化の影響で困っている人、それを食い止めるために頑張っているみんなに会うために旅に出るまでの物語です。
数分前までの空気とは一変し、園児の皆さんは静かに紙芝居に聞き入っていました。
紙芝居の後は、「そらべあワークショップ」を行いました。私たちが暮らす地球はいま温暖化が進行していることや、温暖化によって世界で起きている困ったこと、その原因には、エネルギーをたくさん使う私たちの暮らしが深く関係していることを伝えました。
その後、地球温暖化はどんな現象のことなのか、どこで起こっている問題なのかなどを「そらべあクイズ」を通じて楽しく学びました。2択クイズに挑戦し、正解だと思う方に手を挙げてもらいました。全3問とも、園児の皆さんは積極的に参加をしてくれて、最後には「全部正解だった!」という声も上がっていました。
クイズの後には、手回し発電機とミニ扇風機のセットで発電実験を行いました。発電実験をお手伝いしてくれる園児4名とソニー損害保険株式会社 経営企画部 広報課 青木様に登場いただき、発電実験を開始。ハンドルを回し始めると、扇風機が回り、会場内で「がんばれー!」と大きな声援があがりました。回し終わったあとに、ソニー損保の青木様から園児に感想をインタビュー。4人とも「楽しかった!」と満足そうな笑顔で、コメントをしてくれました。
そらべあ基金の事務局から、「みんなが使う電気もこうやってハンドルを毎日回して発電してくれるかな?」とちょっと意地悪な質問をすると、「やりたい~!」という声が上がります。子どもたちには、それほど楽しそうに見えたようです。「頼もしい園児の皆さんですね。でも、毎日は大変じゃないかな?」と問いかけ、改めて融合こども園の屋上に完成した「そらべあ発電所」の太陽光パネルの写真を見せて、太陽の力で発電できることを伝えました。
園舎に寄贈された太陽光パネルを紹介
そらべあワークショップで園児さんと楽しく学んだ後に、同園の寄贈にご協賛いただいたソニー損害保険株式会社 経営企画部 広報課 課長の小原様よりご挨拶をいただきました。
「お友達とかお家の人に今日みんなが学んだことを伝えてください。できる人~?」と呼びかけると「はーい!」と手を挙げてくれました。
「みんなの行動によって、そらくんとべあくんがお母さんと会える日が来るかもしれないし、そうするとそらくんとべあくんの顔から涙が消えると思います。」と園児の皆さんにメッセージを送りました。
その後、そらべあ発電所寄贈を記念した「記念プレート」、そして式典の前半に読んでいただいた「そらべあ紙芝居」を園に贈呈しました。そして、園児の皆さんに「そら」と「べあ」から、絵本をプレゼントをしました。
記念品の贈呈後、園児の皆さんから「そらべあ発電所」寄贈のお礼に鼓笛隊の演奏、そして演劇をご披露いただきました。
式典時に着用していた制服から、ユニフォームに着替えて表情もきりっとした園児の皆さんが園庭に並び、鼓笛隊の衣装をまとった園児の皆さんがそらべあに向けて「勇気100%」を演奏してくれました。「そら」と「べあ」も、みんなから勇気をたくさんもらえたことと思います。
鼓笛隊による力いっぱいの演奏の後、会場をホールに戻して演劇「リブと海」を見せていただきました。「リブと海」は隠岐の島の海岸に漂着した1頭のアカウミガメのお話。海洋ゴミのせいで、足にゴミが絡まってしまったカメの実話をもとにしたお芝居です。
島根県は日本海に面する“海あり県”。同県の子どもたちにとって、海に広がるゴミ問題は身近な環境問題といえるでしょう。私たちの日常にあふれているプラスチックについて改めて考えさせられる劇でした。劇の最後に、子どもたちが海洋プラスチックのこと、2050年には海にいる魚よりプラスチックの量が多くなってしまうことなどのメッセージを大きな声で力強く語ってくれました。このパートは同園独自でアレンジして加えられたもので、園児の皆さんの真っ直ぐさが特に印象に残るシーンでした。
園児の皆さんによる演奏と演劇で盛り上がった最後に、同園の砂田正英理事長よりご挨拶をいただきました。「今日はたくさん大事なことを学びました。地球温暖化、環境問題、再生可能エネルギーについて知ったね。まだまだ学んでいかなといけないけどね。一人一人が出来ることをやっていきましょう。」
「”環境しつけ”をしていって、みんなが地球と人に思いやりが持てる人になるように願っています。みんな感謝して頑張っていこうね」と呼びかけました。
また、同法人を代表し砂田理事長より、ソニー損害保険株式会社とそらべあ基金へ感謝状をいただきました。
式典後はみんなで、快晴の空の下、集合写真を撮りました。
ソニー損害保険株式会社の皆さま、ご関係者の皆さま、ご参加いただきありがとうございました。
そらべあ基金では本プロジェクトや環境教育を通じて、皆様と共に活動を推進してまいります。
寄贈園 島根県松江市 社会福祉法人開花 幼保連携型認定こども園 融合こども園
ご協賛 ソニー損害保険株式会社