お知らせとレポート
81基目のそらべあ発電所が完成
~埼玉県秩父市 花の森こども園~
埼玉県秩父市の認定NPO法人 森のECHICA 花の森こども園に第81基目の太陽光発電設備「そらべあ発電所」が完成し、2023年6月9日に寄贈記念式典を開催しましたので、その様子をご報告します。
今回の「そらべあ発電所」はソニー生命保険株式会社(以下「ソニー生命」)のご協賛による寄贈で、同社からの協賛による寄贈は17基目※1となりました。
花の森こども園(以下「同園」)は、「いろんな命との共生」を理念に、自然豊かな秩父の里山を拠点に、幼児教育に取り組まれています。開園当初よりデンマーク由来の「森のようちえん」に倣い、持続可能な地球の担い手となる人格をイメージした保育計画のもと、自然の中での体験を通じて、実感し、遊び、学んでいます。子どもたちはほとんどの時間を広い森のある園庭や近隣の川など野外で過ごし、なんと、少しの雨であれば雨具を着て園庭でお昼ご飯を食べているそうです。
また、今回、太陽光発電設備を寄贈させていただきましたが、これまでも手製のソーラークッカーや太陽熱温水器でお湯を沸かすなどさまざまな形で太陽の力を活用されています。冬は薪ストーブで暖をとり、床掃除は掃除機ではなく、湿らせた新聞紙を箒(ほうき)ではいて床掃除するなど、エネルギーの作り方、使い方についても色々と工夫し、実践されている園です。
今回の式典は園と相談し、できるだけ花の森こども園らしく森の中で、また、保護者の方にも参加できる時間での開催を目指すこととし、お迎え時間に合わせ午後に、お天気さえよければ森の中で開催することで調整を進めました。
前日の夜から降り出した雨も、天気予報通り朝方には上がりいよいよ当日です。子どもたちが自分たちの椅子を担ぎながら続々と森の中の会場に集まってくると、放し飼いのヤギたちも何やら気になる様子で近寄ってきます。司会の横田先生のご挨拶で式典が始まりました。
来賓紹介のあと、子どもたちが「そら~、べあ~」と元気よく呼びかけると、ホッキョクグマの兄弟「そら」と「べあ」が森の茂みのなかから登場。子どもたちは興味津々、迎えてくれました。
はじめに、そらべあ基金 理事の加藤からの挨拶では、「そらべあ発電所」がみんなの園の屋根に設置されたことや、お天気とみんなの生活の関係についてなどをお話しました。そして、そらべあ兄弟がなぜ涙を流しているのかな?と問いかけました。
その理由がわかる紙芝居をりお先生とゆめみ先生に読んでもらいました。
そして、そらべあ基金より、そらべあ兄弟が住む北極の氷がどのように変化してきたのか、また、その原因についてお話をしました。その後のそらべあクイズでは、みんな一生懸命に想像力と考えを巡らせながら、元気よく手を挙げたり、気持ちを言葉にしながら、参加してくれました。
続いて、ソニー生命の関様にもお手伝いいただき、手回し発電で扇風機を回す実験を、園児代表の4名に挑戦してもらいました。
手回し発電実験で扇風機を動かしたよ
ハンドルを回せば、自分たちの力で電気を作ることはできるけど、ずっと電気を作り続けるのは本当に大変です。でも屋根についたソーラーパネルは、おひさまの力で電気を作ってくれますし、地球を暖かくしてしまうCO2をだすこともありません。発電体験を通じて、改めて太陽光発電のすごさを感じてもらうことができました。そして、みんなにもできることとして、「早寝早起き」「電気をこまめに消すこと」「物を大事にすること」を伝えました。また、今日学んだことをお友達にも教えてね、とお願いして、そらべあワークショップは終了となりました。
次に、協賛社であるソニー生命 埼玉ライフプランナーセンター第1支社 髙橋支社長より今日学んだことは、実は大人でもなかなかできていないこともあるけれど、これからみんなで頑張りましょう、と子どもたち向けにお話しいただきました。
同社は「ご契約のしおり・約款」を従来は900ページを超える「冊子」で作成されていましたが、「CD-ROM版」(2020年12月をもって廃止)や「Web版」の選択を可能とすることで、紙の削減やCD-ROM版の原材料削減などを実施し、環境活動に取り組んでいます。その活動を通じて削減された印刷関連費用などの一部を本プロジェクトにご協賛いただいています。どうもありがとうございました。
ソニー生命 埼玉ライフプランナーセンター第1支社
高橋支社長からのご挨拶
ご挨拶の後、髙橋支社長より同園の葭田(よしだ)園長へ記念プレートの贈呈を行いました。
ソニー生命 埼玉ライフプランナーセンター第1支社
髙橋支社長(左)より同園の葭田園長(右)へ記念プレートの贈呈
続いて、今日のそらべあの物語の紙芝居を、これからも長く園内で読み継いでいってほしいとの願いを込めて、当基金理事の加藤より葭田園長へ「そらべあ紙芝居」を贈呈しました。
加藤理事(左)より葭田園長(右)へ
「そらべあ紙芝居」の贈呈
最後にそらべあより園児代表の2人へ「そらべあ絵本」のプレゼントです。
記念品の贈呈の後は、みんなで歌を歌いました。
1曲目の「ともえ(ふるさとのうた)」は、山、木々、大地、鳥、空、虫、命、川といった園の活動と密接につながっている言葉を葭田園長が紡いだ詞に、園長の母校の中学校で教鞭をとられていた高橋浩美さん(卒業シーズンに多くの学校で歌われている「旅立ちの日に」の作曲者)が引き受けてくださったそうで、園がとても大事にしている歌だそうです。
2曲目は「虹」です。”あしたはきっと、いい天気♪”などの歌詞にのせジェスチャーをつけて歌ってくれました。今回の「そらべあ発電所」の寄贈記念式典のお天気にぴったりの歌でした。
次に来賓の秩父市副市長の石関千春様より次のようなご挨拶をいただきました。
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秩父市は87%が森林で、この豊かな緑と清流を子や孫の代まで守ることが私たちの使命です。2年後の令和7年春には埼玉県では66年ぶり2回目の開催となる全国植樹祭が秩父ミューズパークを主会場として開催されることが決定しました。
子どもは社会の宝です。園が愛情をもって子育ての環境を作っていることに感謝いたします。また今回の寄贈に感謝いたします。
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最後に、同園の葭田園長のご挨拶では、次のようなお話をしていただきました。
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定員28名の小さな園を市民の力で作り、3年前に認定こども園となったことで、秩父市から本プロジェクトの案内をいただくことができました。プロジェクトの理念が園の理念に当てはまっていたので応募し、結果的に自分たちだけの力ではひっくりかえっても持つことはできなかった太陽光発電設備をいただくことができ、心から感謝しています。これをきっかけに堅苦しくなく子どもたちに「地球温暖化」に関する話をして、成長の種をまけるようになりました。最近もモニターを見て「太陽が働いているよ」「エアコン使うと、消費電力が増えるね」といったことを子どもたちと話しています。
園ではよく「ぱなし妖怪」が出ます。それは、「リュックのおきっぱなし」、「靴や靴下のぬぎっぱなし」などなど、大人にも時々出ます。でも「電気のつけっぱなし」は、これからは、なぜそれがいけないのかを子どもにも理解できるようになると思います。
子どもたちは将来いろんな形で仕事をする大人になっていきますが、地球温暖化の問題を考えながら立派な仕事をする、そんな子どもを卒園させたいと日々向き合っていきます。
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今回は、初めて森の中で開催した「そらべあ発電所」寄贈記念式典となりました。そして、放し飼いされているヤギさんも自由に動きまわり、舞台に上がったり、記念撮影にもしっかり入ってくれたりと「花の森こども園」ならではの式典となりました。
式典後は、みんなで集合写真撮影です。
認定NPO法人 森のECHICA 花の森こども園の皆さま、ソニー生命保険株式会社の皆さま、ご関係者の皆さま、ご参加いただきありがとうございました。
そらべあ基金では本プロジェクトや環境教育を通じて、今後も地球環境保全活動を続けて参ります。引き続きご支援のほどよろしくお願いします。
第81基目寄贈園 認定NPO法人 森のECHICA 花の森こども園
第81基目ご協賛 ソニー生命保険株式会社