お知らせとレポート
熊本地震で全国から寄せられたお見舞金を 被災幼稚園にお届けしました
そらべあ基金では「平成28年熊本地震」で被災された幼稚園を応援するために、
全国の「そらべあ発電所」寄贈園から寄せられた写真メッセージを集め、1枚のパネルにして、
熊本県の滝尾幼稚園(御船町)と肥後菊幼稚園(宇城市)に贈呈いたしました。
また、地震発生直後の4月より全国から寄付を受け付けておりましたが、
12月20日、「そらべあ基金」理事の青木が滝尾幼稚園と肥後菊幼稚園を訪れ、
皆さまからお預かりした寄付金を両園にお見舞金として、
さらに子どもたちへは「そらべあ」絵本とクリスマスのお菓子をプレゼントいたしました。
熊本被災地支援にご協力くださった皆さま、本当にありがとうございました。
両園を訪問した際のようすを以下にご報告いたします。
園舎の被害は大きかったけど、園児は元気に走り回っています
◆滝尾幼稚園 (熊本県御船町)
2009年6月に7基目の「そらべあ発電所」が完成した滝尾幼稚園。
4月の地震では、園舎の北側の地盤が沈下し、
基礎部分に多くのヒビが入ったり、建物が浮いた状態になったりしたため、
北側の園舎は使えなくなりました。
南側の園舎は使用可能ですが、将来のことを考えて、
現在の園庭に新しく建物を建築し、その後、
今使っている園舎を取り壊して園庭にする計画を進めています。
古閑(こが)園長は2018年3月までに新園舎を完成させたいとのことでした。
園児の中には、自宅が全壊して転居を余儀なくされた子どももおり、
そうしたお別れも寂しいことだったと言います。
そんなさまざまな苦労の中でも、地震に負けずに、
園庭で元気に遊ぶ園児たちの姿が印象的でした。
2009年に設置された「そらべあ発電所」は地震の後も頑張っています。
古閑園長に建物の被害の様子を案内してもらう「そらべあ基金」理事・青木。
建物のいたる所にヒビや割れ目が残っています。
園庭で元気に遊んでいた子どもたちが集まってくれました。
園児全員に絵本とクリスマスのお菓子をプレゼント。(写真は園児代表の2人)
全国のそらべあ発電所寄贈園からお預かりしたお見舞金を古閑園長にお渡ししました。
地震で被害を受けた現園舎(模型右)と、建築予定の新園舎(模型左)。
現在の園庭部分に新しい建物を造り、完成後は現園舎を取り壊して園庭にする予定です。
全国の寄贈園から寄せられた写真メッセージパネルが飾られていました。
園児のみなさんが可愛いダンスで出迎えてくれました
◆肥後菊幼稚園 (熊本県宇城市)
2012年12月に35基目のそらべあ発電所が完成した肥後菊幼稚園。
今回の地震により、壁にたくさんのヒビや割れ目が走り、床も使えない状態になってしまい、
建物に被った多くの損壊箇所を安全な状態に修復する必要がありました。
そこで、岩下園長は地震直後、すぐに知り合いの建設会社に修繕を手配。
そのお陰で比較的早い時期に補修を終わらせることができ、
園児が安心して過ごせる環境を取り戻すことができました。
訪れた当日は109名の園児と先生たちに集まってもらい、
絵本とお菓子をプレゼントしました。
そのお礼にと、園児たちが元気いっぱいのダンスを披露。
地震に負けない「肥後もっこす」の子どもたちの姿が心に残る訪問でした。
「そらべあ発電所」完成後、園舎は建て替えられましたが発電所は健在です。
地震で壊れた壁や床も修復されてきれいになりました。
全園児が集まってくれた壇上で訪問の挨拶。
園児全員に絵本とクリスマスのお菓子をプレゼント。(写真は園児代表の3人)
園児たちが元気いっぱいのお遊戯を披露してくれました。
全国の寄贈園から寄せられた写真メッセージパネルが飾られていました。
イヌ&ネコの通園バスも元気に走っています。
《番外レポート》
早くよみがえってほしい熊本城の雄姿
せっかくの熊本訪問の機会だったので、熊本城も訪れてみました。
熊本城は日本三名城の一つで、築城の名手・加藤清正が築き、
今でも市のシンボルとして親しまれています。
今回の地震では石垣約50ヵ所が崩落。
櫓(やぐら)や門のいくつかは倒壊し、
天守閣も瓦が剥げ落ちるという無残な姿に。
一日も早くかつての雄姿を取り戻してほしいと、
1人1万円以上を寄付する「復興城主」による募金も3万件、
金額にして5億円を超えたそうですが、
復旧費用は概算で600億円を超えると見られています。
お城への入口はたくさんの崩れた石に占拠されたままです。
石垣が崩れ落ち、かろうじて宙にとどまっている櫓。
本丸の瓦は剥げ落ち、屋根の一部には草が生えていました。
完全に崩れ落ちた櫓の一つ。揺れの激しさが想像できます。
被災した熊本城が元の勇姿を取り戻すには20年かかると言われていますが、
2019年のラグビーワールドカップでは、熊本市も開催地となっており、
それまでには天守閣の入場再会にこぎ着けたいとのこと。
一日も早い復興を願わずにはいられません。
撮影:中沢賢治